カテゴリ:解説・図版本( 22 )

ウォルター・クレイン画の「妖精の女王」

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*Illustrations and Ornamentation from The Faerie Queene (Dover Fine Art, History of Art)
 Dover Publications 1999年




1999年にDoverからウォルター・クレイン画の「妖精の女王」にそえられた
イラストとオーナメントだけをまとめた図版集がでました。
この本には、全6巻と断篇から、扉絵7点、挿絵が88点、
章頭装飾、章末装飾、装飾文字、装飾帯など255点と網羅されています。

眺める度にため息もの、細部まで凝りに凝った装飾、ひとつとして重なるモチーフがなく、
挿絵を飾る装飾枠にも物語性ある表現でまとめあげて素晴らしいのひとこと。
描きこみ内容の濃さから、そのクォリティを保つモチベーションも凄いです。

前日の記事の人魚の装飾枠も素敵なんですよね♡

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エドマンド・スペンサー(Edmund Spenser)の代表作
「妖精の女王」(The Faerie Queene)は
16世紀のイングランド女王エリザベス1世を象徴とする
“妖精の国″の女王グロリアーナに仕える騎士の冒険を、
アーサー王物語を題材に書かれた、寓意に満ちた長編叙事詩。
本来全12巻で構成され、各巻で12の徳を書く予定でしたが、
「神聖」「節制」「貞節」「友情」「正義」「礼節」と6つの主題を取り上げて、
全6巻と断篇で構成されました。

1894-1896年にトーマス・J・ワイズが編集し
ウォルター・クレインが挿絵を手掛けました。

3年がかりのプロジェクトで1000部刊行され、
19世紀のアーツ・アンド・クラフツ運動が生んだ最も美しい本のひとつとされています。


そうえば、この本も先日の行ったウォルター・クレインの展覧会で堪能できました☆





















*
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by bonplaisir | 2017-06-21 12:31 | 解説・図版本

ハリー・クラーク:アイルランドの挿絵とステンドグラスの世界

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2014年の秋にパイインターナショナルから出版された
海野 弘氏監修の西洋アンティーク図版本シリーズ。

たぶん国内で初のハリー・クラークの図版集。

アンデルセン童話集、カラー10点/モノクロ13点
ポーの神秘と幻想の物語、カラー6点/モノクロ12点/カバーデザイン
ときは春、カラー2点/モノクロ3点/カバーデザイン/カット3点
シャルル・ペロー童話集、カラー7点/モノクロ8点/カバーデザイン/カット9点
ファウスト、カラー6点/モノクロ5点/見返し/カット7点
スウィンバーン詩集、モノクロ4点/見返し
髪の毛盗み、モノクロ5点
あるグレート・ハウスの歴史、2色刷7点
生命の水、2色刷4点

挿絵の図版の他にも、テキスタイルデザイン、ハンカチのデザイン、
カードのデザイン、雑誌の表紙や挿絵、カレンダー、企業や団体のためのデザイン
(奨学金証書、レターヘッド、入学許可書、株券)

ステンドグラスの作品からは教会のためのステンドグラスから代表的な作品を11点、
「聖アグネス祭の前夜」と「ジュネーヴの窓」「女王たち」の各パネルを解説付きで。
その他小さなステンドグラス作品から3点。

これらの図版とハリー・クラークをめぐる人たちの紹介や、
同時代の挿絵画家らにも触れている。


この本に載せられた挿絵図版がほぼ個人蔵によるもので、
イギリス在住のコレクター、マーティン・ムーア・スティーンソン氏のおかげ。
こんなに惜しみなく放出してくれて大感謝なのです。

たまたま、編集者が現地での撮影の様子を記事にした
現地コーディネーターさんのblogに辿り着いて、
コレクターさんは気取りない素敵な方のようで
益々この本が魅力的になりました☆


表紙はハリー・クラーク画をコラージュして、
彩色と藍色の箔押しがまるでステンドグラスのようになってます。
気合の図版本って感じです♡
















*
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by bonplaisir | 2017-06-10 12:00 | 解説・図版本

カール・ラーション/スウェーデンの暮らしと愛の情景

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*カール・ラーション/スウェーデンの暮らしと愛の情景 荒屋鋪 透/著 2016年 東京美術


去年の11月にラーション本の新刊がでました。
トービセレクションから160頁もあるボリュームある本です。

ラーションが出した4冊の書籍を中心に、
その生涯と作品を細かく解説してくれている。

わたしの所持しているOURシリーズもオリジナルタイトルは
Ett Hem(英/OUR HOME・和/私の家)と
Spadarfvet,mitt lilla landtbruk
(英/OUR FARM・和/スパーダヴェルト・わたしの小さな農場)でした。

の他にLarssons(和/ラーション家の人々)とAt solsidan(和/日向に)と
挿絵や壁画などの仕事作品も紹介してくれています。

あと、ラーションのジャポニズムの画家としての側面も。
ラーション自らの言葉で
「日本は芸術家としての私の故郷である」
と残しているほど、日本絵画や浮世絵などの構図から影響を受けている。

代表作の「小さなスサンヌ」は日本画的な縦長の構図で妻と娘、
足元には日本人形が描かれています。

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*Lilla Suzanne,1885


和書でラーションを色濃く堪能できる本がやっと出たという感じ♡















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by bonplaisir | 2017-04-13 12:00 | 解説・図版本

カール・ラーソン(ニューベーシックアートシリーズ)

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*ラーソン NBS-J レナーテ・プフォーゲル/著 2003年 タッシェン・ジャパン


画集を手にして、更にラーションの他の絵も見たくなり、
できれば和書でラーションに触れられたらと求めたのがこの本。

冒頭にラーションの生涯についての記述があり、
その後に作品が、ただし作品の解説まで和訳はされていませんでした。
でもOUR FAMILYの絵やその他初めて見る作品もあって、
手軽にラーションを楽しめるペーパーバック版といった感じ。















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by bonplaisir | 2017-04-12 12:00 | 解説・図版本

お気に入りのギュスターヴ・モロー本

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*ギュスターヴ・モロー【自作を語る画文集】夢を集める人 ギュスターヴ・モロー/画・文 藤田尊潮/訳 2007年 八坂書房



図版本にしては小ぶりなのですが、
読み物としては丁度良いサイズの本です。

モロー自身が作品解説をしている本で、
最近ちょこちょこ合間に読んでたりしています。

モローのアルバムやクロッキー帳などにしたためられた注釈、
生前は未発表でしたが、死後に弟子たちで筆写されまとめられたそうです。

モロー自身による文章も絵と同様に耽美で幻想的な詩のようです。
作品への想いが解釈の邪魔するようなものでもないのが素敵。

ますますモローの魅力に惹かれてしまってます。















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by bonplaisir | 2017-04-01 16:03 | 解説・図版本

鹿島茂コレクション1:グランヴィル

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*鹿島茂コレクション1 グランヴィル-19世紀フランス幻想版画 鹿島 茂/著 求龍堂 2011年


2011年の2/23-4/3(震災で10日まで延長)練馬区立美術館で行われた
フランス文学者の鹿島茂氏の膨大な古書コレクションの中から、
シュールレアリズムの先駆と評価されたフランスの風刺画家
J・J・グランヴィル(1803-1847)の作品を集めた展覧会の図録です。

自らグランヴィル狂というだけあり、素晴らしいコレクション。
版画の数もさることながら、豪華な稀少本も数多く飾られていて、
技巧を凝らした装丁の美しくて素敵。

グランヴィル狂、ワタシも感染した記念の日でした☆



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訪れた日は天気も良くて、気温も温かく、午前中にグランヴィルを堪能し、
心地よい気分でいました。まさかその日の午後に大地震が起こるなんて
夢にも思わなかった。当時の記憶から、午前と午後の出来事が
同じ日だったなんて思えないくらい分断しています。













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by bonplaisir | 2017-03-13 12:00 | 解説・図版本

アルフォンス・ミュシャの世界/2つのおとぎの国への旅

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*アルフォンス・ミュシャの世界/2つのおとぎの国への旅 海野弘/解説・監修 2016年 Pie 2017年2刷



いよいよ明日から始まる「ミュシャ展
チェコ国外世界初公開の「スラブ叙事詩」全20点が展示されますね。

その予習にと、やはりPieから去年出版された本も入手。
売れ行きがよいようで第2刷になってました☆

ミュシャ関連の本は展覧会図録を主に数冊持っていますが
この本はグラフィック作品の中でも雑誌関連の作品も充実していて
ときめきがとまりません。

一昨年の箱根のラリック美術館で行われていた
ミュシャとのコラボ展覧会で、主にOGATAコレクションの作品が
こちらの本でも見られ、あの時は図録集がなかったので嬉しい限り。

もちろん「スラブ叙事詩」の解説も読み応えありますので
こちらも予習として読み込んでから展覧会に挑みたいですね。

ああ、もうすっごく楽しみ☆


















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by bonplaisir | 2017-03-07 13:30 | 解説・図版本

チェコの挿絵とおとぎ話の世界

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*チェコの挿絵とおとぎ話の世界 海野弘/解説・監修 2014年 パイ・インターナショナル



昨日、ブラティスラヴァ世界絵本原画展の後、帰宅してから
チェコの絵本を紹介した本を開いて見ました。

チェコの民話やおとぎ話の代表的なものの紹介と
19世紀から20世紀の人気のある画家たちや
デザインも優れている絵本も紹介した本です。

チェコ芸術が魅力的で豊かな世界を作りだすのは当時大変だったはず。
世紀末から現代にかけて国家統制下の厳しい圧力があった中で、
絵本など子供の世界の領域はアカデミックな評価を受けにくく
見逃されがちで、かくれみのの様なものだったのかもですね。
そのなかで芸術家たちは自由に実験的な試みをして抵抗してたのかも。

こうした背景のなかで作り出された魅力的な作品たちは
本当に素晴らしくて美しいものばかりです。


そんなこともまだ知らなかった時、チェコの絵本の魅力に初めて触れたのは
ヨゼフ・パレチェク画の「人魚姫」でした。
想像力が溢れている素敵な世界感に一目で魅了されました。

そしてチェコの絵本の世界で描かれるアンデルセンやグリムが気になり、
追いかけるうちにチェコの民話ものやいろんな画家たちとの出逢いができたのです。

イジー・トゥルンカ、ミルコ・ハナーク、アドルフ・ザーブランスキー、
スロヴァキアのドゥシャン・カーライ、などなど。
まだほんのちょっとだけど、チェコ関連は魅力的なものばかり☆

そうそう、それまでチェコといえばミュシャと映画ぐらいしか馴染がなかった。
絵本が国の輸出産業になっていることを知ったのは絵本に出逢ってからでした。

この本を開きながら、まだ手に取ってない画家の絵本との出逢いを楽しみにしています。















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by bonplaisir | 2017-02-24 12:00 | 解説・図版本

ウェス・アンダーソン本

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前々から狙っていたウェス・アンダーソン監督の映画本が届いた♡
のに、ちょっとバタバタとしていて、ゆっくり読めないッ、眺められもできないッ。

わーん、おあずけ状態もどかしい~。
でも嬉しい~。















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by bonplaisir | 2017-01-26 12:00 | 解説・図版本

フランスの更紗手帖

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*フランスの更紗手帖 猫沢エミ/著 2016年 パイ・インターナショナル


「トワル・ド・ジュイ展」が
去年の東京での開催期間中、終盤頃に出版された本。

展覧会のトワル・ド・ジュイ美術館だけでなく、
ミュルーズ染織美術館とソレイアード南仏テキスタイル美術館も紹介している。

それぞれの工場での更紗の歴史と柄の特色などの違いも知れて嬉しい本。

アントワネットが好んでいたであろう柄のドレス写真は載っているのですが、
肖像画で描かれていたのかは見たことがないのです。
ですが、フランソワ=ユベール・ドルーエが描いた
ポンパドゥール夫人の肖像画 は更紗のドレスをまとっていたのですね。

更紗をまとう肖像画があればもっと見てみたいものです。
いろいろ探してみたくなりました☆















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by bonplaisir | 2017-01-25 12:00 | 解説・図版本


挿絵とか絵本とか画集とか、気ままに覚え書き。


by haruchonns

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