カテゴリ:一枚の絵( 192 )

エドマンド・デュラック画:「真珠の王国」より②

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象の真珠(The Pearl of the Elephant)



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魚の真珠(The Pearl of the Fish)
よく見ると、魚の舌の上に真珠が一粒描かれているみたい。



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猪の真珠(The Pearl of the Boar)



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竹の真珠(The Pearl of the Bamboo)
竹から真珠を取り出して、真珠を繋げている様子にも見えます。



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蛇の真珠(The Pearl of the Serpent)
クッションの上に真珠が一粒のっています。



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雲の真珠(The Pearl of the Cloud)
女性の掌に真珠が一粒。



この中から「象の真珠」で連想したのはエレファント・パールぐらい。
象の牙の内部にたまたまできた空洞部分に、石灰成分が固まってできたもので、
数百年に一度しか発見されない貴重なもので、インドなどでは
昔から崇敬されたり、神聖な儀式に使われたりしたそうです。
あと、エレファント・パールを持っていると、人生で成功すると信じられているとか。
実際に見たことはないけれど、見られる機会ができたら拝んで見たいです。


上の6点のイラストに付けられた題名の
「象」「魚」「猪」「竹」「蛇」「雲」の真珠は
インドの18大プラーナ (古伝説) 文献の一つ、
ガルダ・プラーナにでてくる神聖な宝石のようです。

「真珠の王国」にもこれらを紹介する文章があるのかはわかりませんが、
イラストの雰囲気から関係してそうかなと思ったり。

インド神話か、なじみがなさすぎてわからないことばかり。
でもデュラックの東洋趣味からすると彼にとっては
東洋の神秘に触れる興味深い仕事だったのではないのかしら。
だってどのイラストも本当に素敵なものばかりでうっとりしてしまう♡















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by bonplaisir | 2017-06-30 12:00 | 一枚の絵

エドマンド・デュラック画:「真珠の王国」より

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「真珠の王国」から、<真珠の誕生>(The Birth of the Pearl)のイラスト。
人魚絵ではないのですが、デュラックが描く海の世界の絵として上げて見たくなりました。


第一次世界大戦を境にデュラックの絵柄も大きく変わります。
戦前の1913年出版の「バドゥーラ姫」で色彩など兆しは見えますが、
戦後の「タングルウッド物語」では人物の描き方まで変わりました。

1918年にホダー・アンド・ストートン社から出版された
タングルウッド物語」が最後になり、デュラックにとって
挿絵黄金時代の終焉的なギフトブックになりました。

その後、パリの真珠商レオナール・ローゼンタールが書いた真珠の歴史や伝説の本に、
デュラックは水彩画を10点描きデザインもした豪華限定本「真珠の王国」が
1919年にパリで、1920年にロンドンで出版されました。


10点のイラストにはそれぞれ「~の真珠」と題されていて、
真珠の歴史や文化、神話や薬など、魅惑的な内容のようです。

ギフトブックの時代は終わってしまいましたが、
デュラックの素晴らしい絵仕事は健在なのでした。















*
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by bonplaisir | 2017-06-29 12:00 | 一枚の絵

ハリー・クラーク画の「髪の毛盗み」

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アレクサンダー・ホープの詩「髪の毛盗み」の挿絵といえば
オーブリー・ビアズリーの末期の傑作

1913年にハリー・クラークもパトロンの個人注文により描く機会を
得られたのだけど、残念ながら本として出版されることはなかった。

男爵に髪を切られ憤怒し責めているベリンダ。
同じ場面のビアズリーの画

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ビアズリーがロココ・スタイルに魅了されクラシカルに描いている。
ハリー・クラークはビアズリーの影響を濃く受けているけど、
クラーク流のスタイルに消化され素晴らしい挿絵となっています。















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by bonplaisir | 2017-06-09 12:00 | 一枚の絵

ハリー・クラーク:キーツのバラッドの挿絵から

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ラファエル前派の系譜画家たちの題材として描かれたキーツのバラッド、1819年作の
''La Belle Dame Sans Merci''(つれなき美女、など訳者によってそれぞれ)

15世紀、フランスの詩人アラン・シャルティエによるバラッド、
中世の幻想的な雰囲気のおとぎ話、
La Belle Dame sans Mercy を元にキーツ独自のバラッドを書いた。

美女に誘われ、洞窟で一晩過ごした騎士が
夢の中で、青ざめた死体が現れ
驚いて目を覚ますと、そこは荒野の中だったという。
この美女はこの世の者でなく、色香で騎士を誘惑し
冥界へと引きずり込もうするこわーい話のようで、
荒野にひとり置き去りにされた騎士も
目を覚ました時にはすでに亡霊になっていたのでは的な解釈も。

ゴシック・ホラーなテイストのバラッドに、
ハリー・クラークは美女と騎士が一夜を過ごしている場面を描いています。


O what can ail thee, knight-at-arms,
Alone and palely loitering?
The sedge has withered from the lake,
And no birds sing.

O what can ail thee, knight-at-arms,
So haggard and so woe-begone?
The squirrel’s granary is full,
And the harvest’s done.

I see a lily on thy brow,
With anguish moist and fever-dew,
And on thy cheeks a fading rose
Fast withereth too.

I met a lady in the meads,
Full beautiful—a faery’s child,
Her hair was long, her foot was light,
And her eyes were wild.

I made a garland for her head,
And bracelets too, and fragrant zone;
She looked at me as she did love,
And made sweet moan

I set her on my pacing steed,
And nothing else saw all day long,
For sidelong would she bend, and sing
A faery’s song.

She found me roots of relish sweet,
And honey wild, and manna-dew,
And sure in language strange she said—
‘I love thee true’.

She took me to her Elfin grot,
And there she wept and sighed full sore,
And there I shut her wild wild eyes
With kisses four.

And there she lullèd me asleep,
And there I dreamed—Ah! woe betide!—
The latest dream I ever dreamt
On the cold hill side.

I saw pale kings and princes too,
Pale warriors, death-pale were they all;
They cried—‘La Belle Dame sans Merci
Thee hath in thrall!’

I saw their starved lips in the gloam,
With horrid warning gapèd wide,
And I awoke and found me here,
On the cold hill’s side.

And this is why I sojourn here,
Alone and palely loitering,
Though the sedge is withered from the lake,
And no birds sing.
















*
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by bonplaisir | 2017-06-08 12:00 | 一枚の絵

ハリー・クラーク:ステンドグラスの聖アグネス祭の前夜

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前記事のハリー・クラーク画の「聖アグネス祭の前夜」の
ステンドグラスの同じ場面を描いたもの。

1923年、ジェイコブ・ビスケット社の社長が父親の家を飾るために注文した。
個人の家のため、宗教や公共の場でないような想像力を自由に展開できるとあって、
ハリー・クラークはおとぎ話や文学などを描きたいと考え、
「青髭」や「眠れる森の美女」など提案し、その中に
「聖アグネス祭の前夜」もあり採用されたのでした。

1924年に完成したステンドグラスは
現在、アイルランドのヒュー・レーン・ダブリン市立美術館に所蔵されています。

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この下絵も存在しているようで、
アイルランドのコルクにあるクロフォード美術館*に所蔵されています。

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by bonplaisir | 2017-06-07 12:00 | 一枚の絵

ハリー・クラーク画:聖アグネス祭の前夜

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「聖アグネス祭の前夜」といえばジョン・キーツの詩物語を
ステンドグラスで表現したハリー・クラークの代表作のひとつで最高傑作ともいわれています。

1924年に個人の邸宅用にに注文を受けた作品の前に、
1914年にイラストでも描いていたようです。

物語の最後、マデリーンを外に連れ出す恋人ポルフィーロの場面。


1819年にキーツが書いた詩物語「The eve of St. Agnes

乙女の守護聖人 聖アグネスの伝説より、毎年1月21日に聖アグネス祭が行なわれる。
この日は、若い娘たちは断食し早いうちに寝床に入り、未来の夫の夢を見る。
キーツの詩では、若い娘マデリーンがベッドで寝ていると、
恋人のポルフィーロが忍び込んできて連れ出そうとする。
愛し合う二人が一緒になることは叶わぬようで、駆け落ちの様な物語。
ロミオとジュリエットのような話にも思えるかな~。















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by bonplaisir | 2017-06-06 12:00 | 一枚の絵

ハリー・クラーク画のシンデレラより

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1922年に出版されたペロー童話集の中で
「シンデレラ」のペン画による挿絵がお気に入り。

ずっとこの絵を見ていると思い出すのが
1950年につくられたディズニー・アニメの「シンデレラ」。

シンデレラがフェアリー・ゴッドマザーの魔法で
素敵なレディーに変身し、カボチャの馬車でお城へ向かう場面で
水面に映ったようすが浮かんできます。

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また更に、このふたつから浮かんでくるのが
エロール・ル・カインの「シンデレラ」(1972)の口絵。

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素敵なものが素敵に繋がる感じがしてたまりません♡















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by bonplaisir | 2017-06-05 16:00 | 一枚の絵

アーサー・ラッカムの原画画像

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ラッカムの「Some British Ballads」の挿絵からお気に入りの1枚の
原画らしき画像をファイルに保管してあったのを見つけて、
ラッカムの挿絵の描き方を少し垣間見れたような生々しさを感じたり☆

原画かもしくは下絵なのかしら?
どちらにしてもこのような絵にドキドキします♡















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by bonplaisir | 2017-05-05 12:00 | 一枚の絵

アーサー・ラッカム画:Hesperides

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*All amidst the Gardens fair Of Hesperus, and his daughters three That sing about the golden tree



ワンダーブックの「三つの金のりんご」で
ヘラクレスが探すヘスペリデスの園。

といえば、ラッカムが美しい絵を描いていたのを思い出し、
ジョン・ミルトンの「Comus」(1921年)の口絵に描かれたもの。

中世のタペストリーのような美しさ☆



この本にも水の精霊が描かれているが、人魚ではないのよね。
ウンディーネもだけど、、、。

ラッカムは精霊と妖精の違いをはっきり描き分けるのかな。
先日、ラッカム挿絵の新訳「テンペスト」でも
エアリエルについて、妖精ではなく精霊だったと、
その違いについて書かれていたっけ。
(それについてはまた後日・いつかは未定・ボチボチと・笑)














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by bonplaisir | 2017-05-04 12:00 | 一枚の絵

Maxwell Armfield画のThe flower bookから

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マックスウェル・アームフィールドは1909年に結婚。
妻は劇作家のコンスタンス・スメドリー。

1910年に彼女の著書The flower bookに美しい植物の挿絵を添えました。
中にはジャポニズムの影響もみえる絵もあったり。

グレイッシュな彩色が素敵なのです♡















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by bonplaisir | 2017-04-18 12:00 | 一枚の絵


挿絵とか絵本とか画集とか、気ままに覚え書き。


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