<   2015年 05月 ( 31 )   > この月の画像一覧

アーサー・ラッカム画の「不思議の国のアリス」

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*不思議の国のアリス ルイス・キャロル/作 アーサー・ラッカム/絵 高橋康也・高橋迪/訳 
 2005年新書館・新装版


ひとつ前の記事にて、チャールズ・ロビンソンと同時期に活躍した
アーサー・ラッカム(1967-1939)もチャールズと同じ年に
アリスの挿絵を手掛けています。

ラッカムのアリス像はテニエルのものに近いイメージですが
実際に身近に居そうな少女のように描かれています。
今ではテニエル人気と分かち合うラッカムのアリスですが
初出の時は大分酷評されたそうです。

この本は1985年に新書館から出版されたものの新装版です。
装丁もシンプルになり、カラー印刷もより美しくなって出版されました。

13葉のカラーイラストとペン画によるカットイラストなど
豊かな表現によるラッカムの幻想的でドラマチックな挿絵が楽しめます。

セピアカラーを基調した色調が渋くて素敵です。
その中でくるくると動き回るアリスの柔らかなピンク色の
花模様のドレスがよいアクセントになっています。

ラッカムのアリスにも実際にモデルがおり、
Doris Jane Dommettという少女が着ていたドレスを
忠実に再現されているようですよ☆










*
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by bonplaisir | 2015-05-31 12:00 | アリス関連 | Comments(0)

チャールズ・ロビンソン画の「不思議の国のアリス」

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*不思議の国のアリス ルイス・キャロル/作 チャールズ・ロビンソン/絵 福島正実/訳 1982年立風書房

チャールズ・ロビンソン(1870-1937)は、
兄トマス・H・ロビンソン、弟ウィリアム・H・ロビンソンと
3兄弟そろっての挿絵画家で19世紀末から20世紀初頭の
挿絵黄金時代に英国で通称ロビンソン兄弟として活躍しました。

チャールズの代表的な挿絵のひとつがアリスです。
1897年にルイス・キャロルが亡くなってから
テニエル以外の新しい挿絵が続々と刊行され、
1907年はちょっとした新刊ラッシュになっていたようです。
アリスの版権が消滅した年ということもあり8種もの挿絵本が誕生し、
その中にチャールズ・ロビンソンとアーサー・ラッカムもあったのです。

1907年の原本を元に立風書房さんが
<幻の絵本館シリーズ>の3巻目に出版してくれました。
カラー挿絵は表紙、裏表紙等込みで6葉収録されています。
あとペン画の挿絵は頁一面のものからカットイラストまで
沢山見て楽しむ事ができます。

アリスの最初の挿絵を手掛けたテニエルのアリス像と比べると
チャールズのアリス像は短髪ブルネットの少女です。
これはルイス・キャロルがアリスのモデルにした少女
アリス・リデルの肖像に近づけたもので、
髪の短いアリスを描いた初めての画家と言われています。

ですが、この時代の新しく誕生した挿絵アリス本ですが、
テニエルのイメージが強すぎて、その後の挿絵を拒む反応も多く、
「鏡の国のアリス」の挿絵本まで着手する画家がおらず
誠に残念な結果で終わってしまいました。

ですが、テニエル以降のアリス挿絵として
日本で初めて紹介されたのがこの本なのでした☆









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by bonplaisir | 2015-05-30 12:00 | アリス関連 | Comments(0)

太刀掛秀子の「青い鳥」

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*ファンタジーメルヘン1 青い鳥 メーテルリンク/原作 太刀掛秀子/著 1983年集英社 1983年2刷

1980年代に集英社から漫画家が描く童話の絵本の
ファンタジーメルヘンシリーズの第一弾が
太刀掛秀子さんの「青い鳥」でした。

70年代半ばから「りぼん」に触れてた世代には
太刀掛秀子さんの可愛らしく美麗な着色による
オールカラー描き下ろし絵本は悶絶もの。
りぼんの表紙や付録など沢山カラーイラストを描かれたのに
イラスト集が出なかったのが残念なくらい。

なので、この絵本はかなり貴重かと、
普段描くことのないキャラクターまで楽しめます。

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カラーインク主体の着色かと思われますが
透明感とセルリアンブルーとビビットなピンクの使い方が絶妙。

金髪の少女は天使のように可愛いです。

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by bonplaisir | 2015-05-29 12:00 | 漫画関連 | Comments(0)

「ちいさな木ほりのおひゃくしょうさん」装飾が素敵で可愛いの。

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*ちいさな木ぼりのおひゃくしょうさん アリス・ダルグリーシュ/文 アニタ・ローベル/絵 
星川奈津代/訳 1994年童話館出版 2008年13刷


最初、タイトルの意味に?となり、読んでもやっぱり?で、
木彫り職人でお百姓さん?と思ったら
どうやら木彫りの人形が主人公らしく、お百姓をしているみたい。
ちょっとへんてこシュールです(笑)

1930年にアリス・ダルグリーシュさんが書いた物語に
アニタ・ロベールさんが1968年に挿絵をつけた絵本です。
アニタさんは敷物デザインの仕事もしていたので
その時の経験がふんだんに活かされているようです。

むかし、あるところに、ちいさな木ぼりのおひゃくしょうさんと、ちいさな木ぼりのおかみさんが、ちいさな木の家にすんでいました。ある時、ちいさな木ぼりのおひゃくしょうさんとおかみさんは、こう思います。「いっしょにくらすどうぶつさえいてくれたら、ここはせかいでいちばんすてきなのうじょうになるだろうに。」そこで、ふたりは、いつもやってくる木の船の船長さんに、動物たちを案内してきてくれるよう、おねがいすることにしました。



額縁装飾のデザインがもう可愛くて♡
朱と緑を基調にした彩色バランスも素晴らしいのです。

ポーランド生まれのアニタさん、母国の手工芸をも活かし、
そのまま刺繍の図案になりそうなデザインばかりで素敵です!










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by bonplaisir | 2015-05-28 12:00 | 和テキスト絵本 | Comments(0)

ラチョフのロシア民話集

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*Терем-теремок  Русские народные сказки Евгений Рачев 1972
 ロシア民話集 エフゲーニー・ラチョフ/絵 テキスト:ロシア語


ラチョフのロシア民話集です。
主人公が動物のものを中心にまとめてあるようです。

和訳本「つぼのおうち」が絶版でなかなか手に入りませんので
ロシア語版をとりあえず手元にと。
せめて英語版あれば収録話が探しやすいのだけど、、、
それでもテキスト片手に格闘中(笑)

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「つぼのおうち」と「おおきなかぶ」と「マーシャとくま」と
「ねこときつね」だけわかったわ。
あと16話。

つかカバーにヤブレかかった箇所があるので
補強しようと外したら

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地の装丁も可愛かったのだわ☆









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by bonplaisir | 2015-05-27 12:00 | 欧米テキスト絵本 | Comments(0)

酒井駒子さんの「ビロードのうさぎ」

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*ビロードのうさぎ マージョリィ・W・ビアンコ/文 酒井駒子/絵・抄訳 
 2007年ブロンズ新社 2013年73刷


名作絵本「ビロードうさぎ」を
酒井駒子さんが抄訳し挿絵を付けました。

本屋さんで見つける度に開いて読んでましたが、
その度に涙がこぼれる羽目になるので手元に置くことにしました。
「子どもに愛されたおもちゃは いつかほんものになれる」
と信じたうさぎのぬいぐるみの愛しいお話です。


ニコルソンの挿絵版も素晴らしいのですが、
酒井駒子版は、文章以上に語り掛ける絵力の
涙腺破壊力がハンパないのです。

ホント、開く度に胸が締め付けられてしまいます。
やさしさに包まれた素敵な絵本なのです。










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by bonplaisir | 2015-05-26 12:00 | 和テキスト絵本 | Comments(0)

ウィリアム・ニコルソンといえば「ビロードうさぎ」

マージョリィ・ウィリアムズによる1922年初版の不朽名作「ビロードうさぎ」

原題「The Velveteen Rabbit」の挿絵もウィリアム・ニコルソンです。

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*ビロードうさぎ マージョリィ・ウィリアムズ/文 ウィリアム・ニコルソン/絵 石井桃子/訳 
 2002年童話館出版 2002年3刷


1953年に岩波子どもの本シリーズ「スザンナのお人形・ビロードうさぎ」で
初出版されたものを、2002年に同本訳者の石井桃子さんが
原書の味わいのままに翻訳し直したものです。


あらすじ

ある年のクリスマス、くつしたの一番上に詰め込まれ、ぼうやに贈られたのが木綿のビロードうさぎでした。毛はふわふわしていて、とても立派です。でも、子供部屋には他にもたくさんおもちゃたちがたくさんいました。とくに機械仕掛けの高価なおもちゃたちは、動くことのできる自分たちは本物だと自負していて、他のおもちゃを見下していました。
 ある日、ビロードうさぎは自分に唯一やさしくしてくれる古い木馬から、「もし、そのおもちゃを持っている子供がそのおもちゃを長い間、心からかわいがっていたとすれば、そのおもちゃは本物になることができる」という話を聞き、自分も本当のうさぎになりたいと願うのでした・・・。



子どものおもちゃ、ボロボロになっても大切にされるものあれば
壊れたり汚いからと捨てられてしまうものもあります。
時に飽きられて、忘れ去られてなど様々な理由で、
子どもから離れることになってしまうおもちゃたちが存在する。
おもちゃの視点で語られる想いが切なく心に響く物語です。

今のところ泣かずに読めた試しがないくらい涙腺が弱くなる物語です。










*
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by bonplaisir | 2015-05-25 10:51 | 和テキスト絵本 | Comments(0)

ウィリアム・ニコルソンの「おりこうなビル」もしくは「かしこいビル」

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*おりこうなビル ウィリアム・ニコルソン/文・絵 つばきはらななこ/訳 2011年童話館

ウィリアム・ニコルソン(1872-1949)は英国の画家・デザイナーで、
即位60周年記念のヴィクトリア女王を描いて
肖像画家としても有名になりました。
そして1936年にナイト爵(サーの称号)を授かっています。

この絵本は1926年に初出版されたもので、
彼の娘のために描かれたものだそうです。
出てくるおもちゃは実際に持っていたもので、
エピソードも実話に近いものなのではないかしら?
とっても可愛らしいエピソードは可笑しくて微笑ましいです。

お話はこんな感じ。

ある日、メリーという女の子に、遠くに住むおばさんから手紙が届きました。
おばさんはメリーに遊びに来ませんか?と、メリーは喜んで荷造りをし始めます。
そして、あれやこれやとお気に入りのものや大切なものを出してきてトランクに詰めます。
なのに大切な彼を忘れてしまって大変!でもビルは!、、、。


あー、もうビル最高なのだわw
おいてけぼりにされた時の悲愴感にヤラれてしまいましたわ(笑)


ワタシが始め手にしたものは再販もので、
1982年に「かしこいビル」でペンギン社から
松岡享子さんの訳で出版されました。

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読み比べしたくて取り寄せました。
こちらには作者紹介と絵本の解説も載ってますので
より絵本の世界感に近寄れますね。
印刷の色は「おりこうなビル」の方が発色はよいです。
両方持っていても良い絵本だなと思いました。
英国ではこどもの本として歴史的にも重要な位置づけの絵本だそうです。










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by bonplaisir | 2015-05-24 12:00 | 和テキスト絵本 | Comments(0)

デュラックのアンデルセン童話集の復刻版

デュラック好き過ぎて、当時の本に手を出したいけど高価過ぎて無理ですが、
せめて当時の雰囲気を味わいたくアメリカのドーヴァー出版(Dover)から、
過去に発行された最も美しい書籍の、(ほぼ)完璧なハードカバー復刻本シリーズ
Calla Editionsから2008年に出版されたデュラックのアンデルセン童話集を
求めてしまいました。

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*Stories from Hans Christian Andersen (Calla Editions) 
 Andersen with illustrations by Edmund Dulac 2008


1911年に英国のHodder & Stoughtonから出版された
オリーブグリーンの布地に金の箔押しでタイトルが記された
貿易版の復刻のようですね。

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当時と同じ風合いの色には届きませんが、重厚感は味わえます。
印刷も綺麗で、今まで見てきたものとは一味違います。

あと新書館版で載せてなかったイラストが4点ほどありました。
が、うち2点「パラダイスの園」と「風の歌」のイラストは
新書館版ではモノクロで小さく収録されていたものでした。









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by bonplaisir | 2015-05-23 12:00 | 童話集/寓話集 | Comments(0)

新書館のアンデルセン童話集3 空飛ぶトランク

新書館のアンデルセン童話集新装版、全3巻の最後は
カイ・ニールセン挿絵のもの。

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*アンデルセン童話集3 空飛ぶトランク カイ・ニールセン/絵 荒俣宏/訳 1994年新装版

挿絵の黄金時代の画家でカイ・ニールセンは外せませんわ。
デュラック共々大好きなのです。

表紙は「丈夫なすずの兵隊」ですね。
他に「ひつじ飼いの娘と煙突そうじ人」「豚飼い王子」「オーレ・ルゲイエ」
「空飛ぶトランク」「ほくち箱」「ニワトコかあさん」「ある母親の話」
それぞれに1枚ずつカラーイラストが添えられています。

アンデルセンとニールセンは同じデンマーク人なので
個人的には最高の組み合わせです。

1924年にニールセンはアンデルセンの挿絵本を出しました。
それまでのニールセンの挿絵と比べて画風に変化が見えるもので、
当時流行のアール・デコ調のデザインが取り入れている感じがします。

新書館アンデルセン童話集、デュラックの方に載っている物語は
ニールセンの方では割愛されているので、まだまだ挿絵はあります。
モノクロのペン画による挿絵も原書には沢山添えられているようで
まだ全部の挿絵を見たことがありません。

是非ともモノクロ画も全部網羅した完全復刻本が出てくれたらと願っています。










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by bonplaisir | 2015-05-22 12:00 | 童話集/寓話集 | Comments(0)


挿絵とか絵本とか画集とか、気ままに覚え書き。


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